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口と喉の病気
急性扁桃炎
※一般(医師も含めて)に、「扁桃腺」と言いますが、正しくは「扁桃」と言います。扁桃には腺(何かを分泌する組織)として働いていないためです。
症状・特徴
一般に風邪と同時、あるいは引き続いて喉の痛みや発熱、嚥下障害が起こります。発熱は40℃もの高熱が出ることも珍しくありません。
診断
喉の奥の両脇を観察すると扁桃(クルミのような組織)が、赤くなり、腫れ、その表面によく白い膿を付けています。「あー」と発声させると舌が下がって見えやすくなり、一般の方でも確認できます。舌を無理に押さえるとゲッーとなるので要注意です。頸部リンパ節(首のグリグリと言われているもの)も大抵腫大します。
治療・注意
抗生剤を服用します。炎症がひどい場合や経口で摂取できない時は、点滴などで静脈より抗生剤を入れます。抗生剤も種類が多いのですが、ぺニシリン系、セフェム系を第一選択として処方することが多く、3,4日で効きが悪い場合は、薬を変更します。同時に鎮痛剤も投与することも多いです。もちろん安静が必要で、運動や風呂は絶対禁止です。
鑑別診断
喉の激しい痛みは、扁桃炎だけでなく、「急性咽頭炎」などでもよく起こります。また急性扁桃炎とそっくりな「伝染性単核球症」というものもあります。これはウイルス性で、治療が異なりますので要注意です。また、急性扁桃炎の症状+周囲のひどい腫れが起こることがあり、「扁桃周囲炎」や「扁桃周囲膿瘍」と呼ばれています。 この場合、強力な抗生剤の治療や時に腫れている部分を切開したりする必要があり、耳鼻科医にかかってください。
いびき
これを病気とするかは疑問ですが、日常診療でもよく質問されますので採用しました。なおこれと非常に関連の強い「睡眠時無呼吸症候群」については、別の項で
述べます。
症状・特徴
ご存じの様に、睡眠中に「ガーガー」や「コ゜ー」という音を吸気時、呼気時あるいは両方で発生します。もし、いびきと前後して息をしていないことがあれば無呼吸状態があったことになりますが、これだけで即「睡眠時無呼吸症候群」とはなりません。
診断
睡眠時に音がすれば、簡単に診断がつきますが、一人暮らしの方は、一晩録音されたらはっきりわかると思います。原因として、鼻閉、喉の狭窄がありますのでそれを見つけます。鼻閉の原因は、蓄膿、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲などたくさんあります。喉の原因は、扁桃肥大、舌根扁桃の腫れ、口蓋垂(いわゆる”のどちんこ”)の腫れ、肥満などがあります。
治療・注意
原因となるものを減らしてゆくことが肝心です。鼻炎があれば、薬物投与や手術で治療します。扁桃肥大や口蓋垂の巨大なものも手術で切除する事もあります。生活習慣から発生した原因もありますので、その改善が必要です。私たちが診察する「いぴき」の患者さんは、一般に「太っている」、「アルコールを飲む」、「上を向いて眠る」、「鼻の病気がある」という方が多いです。それらを1つずつ解決する必要があります。