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鼻の病気
慢性副鼻腔炎
これは副鼻腔といわれる頭蓋骨(顔面)にある空洞の慢性炎症です。少しわかりにくいかもしれませんが、①両頬(上顎洞)、②眼と眼の間(し骨洞)、③額(前頭洞)、④鼻の最深部(蝶形骨洞)、と4対の空洞があります。
これらの空洞に炎症が起こり、鼻閉(鼻づまり)、鼻汁、頭痛、顔面痛などが起こり、時に嗅覚低下や鼻茸(ポリープ)ができたりします。
診断
耳鼻科医は鼻鏡やファイバースコープでの直接観察、さらに鼻レントゲンにてこれらの空洞に影(炎症)がないかを調べます。膿性鼻汁やポリープ(鼻茸)などがある時は、慢性副鼻腔炎を強く疑わせます。もっとも風邪などによる急性の副鼻腔炎でも膿性鼻汁はありますので、風邪を引いていない時に診断します。時に悪性の上顎癌と区別するためCT、MRIなども使用されます。
治療
薬物による保存的な治療法と手術によるものがあります。
◎薬物治療
抗生剤や酵素剤などが基本になります。最近、マクロライド系抗生剤の長期少量投与という方法が有効といわれ、当院でも実施していますが、ポリープが鼻の入り口より出ているようなひどい症例でも治ってしまった例もあります。しかし、なかなか治療にも反応してくれず、手術になった例もあります。子供さんは、歯や骨の発育のことなどで従来の蓄膿の手術はできませんので、この薬物治療は100%有効ではありませんが、あまり副作用もありませんので一度試みる価値はあると考えます。
◎手術療法
皆さんも一度はお聞きになったことがあると思いますが、蓄膿の手術は口が裂けるとか、死ぬほど痛いと噂されています。実際、局所麻酔で行うとかなり痛みの強い人もありますが、近年では全身麻酔もありますので必要以上に怖がらないでください。とは言っても、両側の手術をしますと入院も3週間から1ヶ月にもなりますので大変です。そこで最近、なるべく体の負担を減らし、入院も短くなるようにファイバースコープ(内視鏡)による手術が行われるようになってきました。これにより出血、痛み、傷も減少し、入院期間も短縮しました。ただ、この手術が適応でない人もありますので、十分に相談の上、手術を受けて下さい。
鼻中隔弯曲症
鼻の入口は、誰でも2つありますが、その間の隔壁が鼻中隔です。鼻中隔は手前は軟骨で、奥は骨でできています。鼻中隔はほとんどの大人では、ある程度曲がっていますが、異常に曲がっているものは病気として治療の対象になります。
症状・特徴
鼻づまりが最も多く、しかも両方の鼻がつまることがしばしばです。凸側は鼻道(空気の通り道)は狭くなり、凹側は粘膜が肥大してやはり鼻道は狭くなります。また凸側では鼻血が出やすいこともあります。当然鼻づまりはいびきや頭重の原因となったりします。
診断
耳鼻科で鼻鏡やファイバースコープで直接見ます。また鼻腔の空気の通り具合を測定する器械もあります。
治療・注意
鼻中隔矯正術という、曲がった軟骨や骨を切り、摘出します。同時に凹側の肥大した粘膜も切除したり、電気焼灼したりします。手術はたいてい局所麻酔で行い、入院は10日ぐらいの病院が多いようです。手術後2~3日はガーゼ等を鼻に詰めますので息を口でする必要があります。